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Amazon Connectとは?【標準機能の説明から実際の導入事例まで】

2021.05.10

新型コロナウイルスの影響でリモートワークなどの働き方改革が叫ばれる中、改めて在宅でも行える業務として見直されているのがコールセンター業務です。

これまでも在宅コールセンターは多くの企業で導入が促されていましたが、後回しになることも多く、昨今の情勢から導入を加速した企業が多くなりました。

そんな在宅コールセンターの実現手法として注目されているのが、「Amazon Connect」の導入です。

本記事ではAmazon Connectとはどんな製品なのかの基本的なところから、実際に利用している事例までをご紹介します。

ぜひ、本記事を参考にAmazon Connectの導入へ踏み出してみてください。

Amazon Connectとは?

Amazon ConnectはAmazon社が提供している、クラウド上でコールセンターシステムが利用できるものです。

Amazon ConnectはAmazon社が提供している「Amazon Web Services(AWS)」サービスのひとつです。AWSとはインターネットを介して、ユーザーがクラウド上で利用できるサービスのことです。Amazon社はAWS上で700以上ものサービスを展開しており、Amazon ConnectはAWSサービスのひとつという位置付けになります。

これまでのコールセンターでは自社サーバーを所有する必要がありましたが、Amazon Connectでは全てクラウド上での管理になります。そのため自社サーバーを所有するという考え方からAmazon Connectというサービスを利用するという考え方になります。

Amazon ConnectではCTIやPBXをクラウド上で管理できるため、インターネット経由でどこにいても電話を取ることが可能になります。そのためコンタクトセンターの在宅勤務が可能になります。クラウド上でコールセンターを構築できるため、規模を用途に合わせて伸縮する、案件ごとの設定も簡単に変更ができるなどが特徴です。

Amazon Connectの標準機能

ここからはAmazon Connectの標準機能について解説します。

Amazon Connectに備わっている標準機能は下記の通りです。

・自動音声応答(IVR)機能

・自動呼分配(ACD)機能

・録音機能

・着電管理レポート出力機能

・CTI機能

それぞれの機能について解説していきます。

自動音声応答(IVR)機能

チケットを入手する時や携帯の故障などでコールセンターに電話をする際に、自動音声によって案内される「〇〇についてのお問い合わせの方は1番~」のような設定ができます。

設定はAmazon Connectの管理画面上でドラッグ&ドロップ操作で直感的に行うことができるので、簡単に設定が可能です。

また自動音声はAmazonの「Amazon Polly」が使用されます。Amazon Pollyは数十種類の言語に対応していることに加え、自動音声のスピードの調節や自社でオリジナルに録音した音声を流すこともできます。

自動呼分配(ACD)機能

コールセンターに配置されたエージェントのスキルや空き状況によって、かかってきた電話を自動で振り分けることが可能です。

製品やサービスごとのスキルを「プロファイル」と呼ばれる機能で一元化させるので、顧客からの問い合わせに対して適切なスキルを持ったエージェントに振り分けられます。そのため顧客満足度の向上にも繋がります。

録音機能

顧客との通話の録音はもちろんのこと、顧客からの問い合わせのみの録音やエージェントの対応のみの録音も可能です。自社の用途に合わせて設定することができます。

録音機能を利用すれば、エージェントスキルの上昇やクレームなどが起こった際の対応にも効果を発揮します。また、録音したデータは日付ごとにファイル化され、「Amazon S3」に保存されます。

着電管理レポート出力機能

顧客からの平均応答率や平均通話時間、通話後のデータ打ち込みにかかった時間などをレポートとして出力することが可能です。

出力形式もエージェントごとやプロファイルごとなどの単位での出力が可能です。エージェントごとに出力を行えば、エージェントの課題点などが可視化できるので、改善点が見えてきます。

利用方法によって多様な分析が可能な機能です。

CTI機能

Amazon ConnectではCTI(Computer Telephony Integration)機能をクラウド上で利用することができます。

従来であればCTI機能はデータセンターを利用しなければならないなどの大掛かりのものが多かったですが、Amazon Connectを利用すれば小規模でも運用が可能になりました。

またAmazon Connectは、顧客管理システムとして世界No.1のシェアを誇るSalesforceとの連携が無料コネクター利用することで、簡単に行えます。連携を行うと電話がかかってきた瞬間に、顧客情報をAmazon Connect上に表示させることも可能です。

Amazon Connectのメリット

ここからはAmazon Connectのメリットについて解説します。

Amazon Connectのメリットは下記の通りです。

・構築が容易

・コストを抑えられる

・AWSとの連携が容易

構築が容易

Amazon Connectの最も大きなメリットがコールセンターの構築が容易にできることです。

専用の電話回線を引く必要がなく、Amazon Connectのサービス契約を行い数クリックで構築ができるからです。

従来のコールセンターでは数ヶ月をかけて設置する場合もありましたが、Amazon Connectでは数分の作業でコールセンターとしての機能を持つことができます。

これまでベンダーに任せていた作業を自社で簡単に構築することができるので、スピーディーに運用が可能です。

コストを抑えられる

Amazon Connectでは利用した分だけの金額を徴収する従量課金制で利用することができます。そのため閑散期であれば他の月よりも少ない料金で利用が可能です。繁忙期を見越して余分のリソースを契約し、料金を支払うなどのコストも減るでしょう。

金額の計算は基本的には通話時間がどれくらいかかったか、自社で保有している電話番号はいくつかの2つが要件になります。

従量課金制のため、金額の考え方は変更になる可能性もあります。最新の情報は必ず公式ページを確認してください。

>>Amazon Connect の料金

また繰り返しになりますが、Amazon Connectではサーバーなどの物理的環境は不要です。そのため設備投資などのコストも抑えることができます。

ライセンス期限や機器のリプレイスなども必要ないので、これまでのコールセンター構築と比較すると大きくコストは抑えられるでしょう。

AWSとの連携が容易

Amazon Connectは先述した通り、AWSのサービスの一つです。

そのため他のAWSサービスとの連携が簡単に行えます。録音データを保存する「Amazon S3」はストレージとしての機能になり、Amazon Connectとの相性は抜群です。

他にもコールセンターにチャット対応を行いたいと考えたら、Alexaの技術を利用した「Amazon Lex」との連携も可能です。

多くのAWSサービスとの連携ができるので、顧客満足度を上げるのに非常に役に立つでしょう。

Amazon Connectのデメリット

Amazon Connectのデメリットは下記の通りです。

デメリットを理解しておくことで、サービスを利用する際の認識のズレがなくなりますので、きちんと確認しておきましょう。

・既存の電話番号を引き継げない

・祝日の判定機能がない

既存の電話番号を引き継げない

Amazon Connectでは既存の電話番号を引き継ぐことができません。

そのためAmazon Connectで利用するための新規番号を発行する必要があります。050から始まるDID(直通ダイアル)で好きな番号を選びます。

また、東京03からの番号取得も可能です。03の電話番号を発行する場合にはSupport Caseから本人確認、会社確認を行なった上で発行されるので、時間が少々かかります。

祝日の判定機能がない

Amazon Connectではオペレーション時間を設定することできますが、設定できるのは曜日と時間のみのため、祝日判定を行うことができません。

また会社によっては創業記念日を休日としている、メーデーを休日に設定しているなどもあるでしょう。このような祝日の判定を行うには独自にソースを開発する必要があります。

そのため手間がかかってしまうのが難点です。

Amazon Connectの導入事例

Amazon Connectの導入事例を紹介します。

導入事例は下記の通りです。

・某物流会社の事例

・某IT・通信業の事例

某物流会社の事例

国内外100拠点以上の拠点ネットワークを持っており、コンタクトセンターでのサービス向上が課題でした。

課題を解決するために電話応対のストーリーを事前に設計することに加え、顧客の履歴データをAmazon Connectと連携させることで取引状況などをコンタクトセンターが瞬時に把握し、適切なサービス提供が可能になりました。

某IT・通信業の事例

コールセンターでのサービス向上と将来を見据えたコールセンターの構築が課題でした。

サービス向上にはSalesforceと連携させることで、Amazon Connectの利便性をアップさせ効率化を行なっています。

また将来的にはAIの導入やチャットボットの導入、在宅勤務を視野に入れて活動展開を考えていたため、基盤をAmazon Connectで構築しました。

Amazon Connect立ち上げ手順

Amazon Connectの立ち上げ手順は下記の通りです。

1.AmazonConnectインスタンスの作成

2.「ID管理の項目」の設定を行う。アクセスURLを任意で設定します。

3.「管理者の作成」でユーザー名、パスワード、メールアドレスの設定などを行います。

4.「テレフォニーオプション」で着信、発信についての設定を行います。着信のみ、発信のみなども可能なので用途に合わせて設定してください。

5.「データストレージ」はデフォルト設定でAmazon S3バケットに保存されるので、そのままの状態で内容を確認して次のステップをクリックします。

6.「レビューと作成」でこれまで設定した内容を確認します。問題なければ「インスタンス作成」をクリックします。おおよそ2分ほどでインスタンスが作成されます。

以上でAmazon Connectが立ち上がりました。

立ち上げが完了したら、電話番号の設定やプロファイルの設定などを個々の案件に応じて設定していきます。

まとめ

Amazon Connectはコストをかけることなく、どんな規模のコールセンターにもスピーディーに対応ができるクラウドサービスです。

Amazon社はAmazon Connectを自社のコンタクトセンターにも活用しているため、ユーザー目線で必要な機能を取り添えています。またクラウドサービスのため、今後の機能拡張なども容易に行えるでしょう。

Amazon Connectを活用することで、新しい働き方への対応もじゅうぶん可能です。

ぜひAmazon Connectを活用して新しいコールセンターを構築してみてください。

本記事の執筆・監修

江戸 達博

株式会社スカイアーチネットワークス 代表取締役社長
前職のSI企業で、24時間365日対応のサーバー管理事業を立ち上げ。大手出版社・ゲーム業界の基幹ネットワークの設計構築・運用保守のコーディネートから、サーバー作成、深夜の障害対応まで広く携わる。

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